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【生産者紹介】成清海苔店(福岡県柳川市)

ノリ養殖とは海で育てる野菜。
だから「おてんとうさま」のおかけで美味しくなる!

私たちが普段目にする海苔は、ノリ漁師である海苔師が海で育てて収穫し、まるで紙を漉くように、細かく砕いたノリを板状に漉いて干し成型しています。成清海苔店は焼きや成型といった二次加工と販売を行っています。

柳川のノリ養殖は、種採りから始まります。各自、種を自家培養して、8月後半に牡蠣殻に移して付着させ、気温と水温が下がる秋を待ちます。10月に入って種付け時期を迎えると、何十枚もの養殖網を一斉に張り、牡蠣殻ごと網の下にぶら下げます。そうすると、自然に胞子が網に付着し、ノリの成長が始まります。
柳川市が面する有明海は干満の差が約6メートルと大きいことで有名です。有明海でのノリ養殖は「支柱方式」。干潮になるとノリ網が日に当たり、満潮になると海水に浸かります。これを毎日繰り返すことで、潮が満ちて海中にあるときに栄養を蓄え、潮が引いて空気中にあるときに太陽の光を浴びて旨みを増していきます。そのおかげでミネラルやアミノ酸の含有量が増え、病気を防ぎ、柔らかくて香り高いノリになります。海中に立てる支柱は約12メートル。網を張る時期になると船で沖合までもっていき、一本ずつ差し込んでいきます。1シーズンに立てる支柱の数は有明海全体では、なんと400万本にも上ります。

「海苔っちゃ、もっと美味しいはず」
成清さんでは「秋芽一番摘み」だけを使います

収穫は、ノリが15cmほどに育つ11月初旬から始まって、1月まで続きます。その最初に収穫したノリを「秋芽一番摘み」と呼び、味・香りともに大変良い海苔になります。「成清海苔店」では、この「秋芽一番摘み」だけを使用して製品化しています。
特に、我らが皿垣漁協と成清さんが絶大な信頼を寄せるのは、30人ほどの海苔師が所属する「皿垣漁業協同組合」の秋芽です。
「先代が昔から、検査員の平河さんと仲良しで、公私ともに付き合いがありました。当時の皿垣は“二流ハマ”と呼ばれる半農半漁のところで、美味しかろうが、美味しくなかろうが、枚数とって売れればいいという感じだった。昔はノリ漁師は大変羽振りが良くて、海苔を持って旅行に行った、なんていう話もあるほど。」
「でも、機械化が進むと、海苔作りがうまい人とヘタな人の差が無くなって、同じような海苔ばかり。需要の多いコンビニや外食に望まれるのも、均一な海苔を大量に作ることになってしまいました」
「しかし平河さんは『最近は海苔が全体に美味しくない、もっと美味しくなくちゃいかん』と、それまで見た目で決めていた等級検査に、実際に食べて味をみる食味検査を取り入れたんです。どうしたら美味しい海苔になるか、ノリを柔らかい新芽のうちに収穫したり、細切りにすることでサクッとした歯切れと口溶けの良さを実現したり、しっかりとした食感を得るために厚めに漉いたり、と毎年毎年、工夫して進化してきたんですよ」

「私は見た目はどうでもいい。食うてみらんと、わからんし。20年ほど前、親父が『こっちの方が旨い。見てくれは悪いけど味がいい』と決めて以来、その年最初の秋芽一番摘みの入札で、1年分を仕入れてしまいます。数にすれば300万枚ほど。二次摘みのノリに比べると見た目は赤芽ですが、うちはこれ一本です!」